無題

血の通った文章を読んだ。痛ぇ。心が痛ぇ。
わかるんだ、その気持ちが。泣けてくるほどに。

僕は小学生の頃から電車通学をしていた。当時乗っていた世田谷線と言うローカル電車沿線に、障害者施設があるようで、その頃から、彼らの姿はよく見ていた。当時、彼らを見た時の感想は覚えていない。ただ、それほど嫌悪感だとかは感じなかったと思う。よくわからないけど、そう思う。あまり、抵抗は無かった。そういう存在がいるのだと、何となく理解してた。

中学高校の頃も、学校の近くに施設があった。同級生が、彼らを馬鹿にしたようなことを言った。死ねばいいのにと思った。お前みたいな奴がいるから！他にも彼は信じられない発言をしている。テンションがあがると、早口になって噛みまくる俺の友人に、「お前、パラリンピック出てこい」と言ってのけたのだ。何でこんな奴がのうのうと生きて、社会に出て、大手広告代理店で働けるのか理解できない。死ねばいいのに！死ねばいいのに！死ねばいいのに！人の痛みを理解できないクソばっかりだ！小学生の時、プールでちょっかいを出された、と言うが、もはやそれが何故か理解出来ない年齢をはるかに超えているだろう。にも関わらず、そのような発言をするその男が、社会で働いたりしているのだ。

人の痛みを理解出来ないクソばかりだ。俺も、前みたいに彼らと接する事が出来なくなっちまった。どうしていいかわかんねぇんだ。下手に色々考え過ぎてんのはわかってる。どうすりゃいいんだ。

 

俺が派手な袋に身を包むのは。

 

確かに、当時の俺は酷い醜さで、当時の写真を撮らなかった事が残念なくらいである。今でも、人の目が怖くて、あまり人の目を診てしゃべれない。あの時の、人々の目が、何より、怖かった。だから、普通に接してくれた友人達には、何より、感謝してる。俺が派手な袋に身を包むのは、醜いクソ袋を派手な包装で誤魔化しているだけなのだろう。地味な格好をすれば、醜さが見えてしまう。助けてくれ！こっちを見ないでくれ！あの塾の一番偉い奴が俺を見てこう言ったんだ！「ずいぶん真っ黒だね。海でも行って遊んでたのかな？」あぁ！人の痛みが理解出来ないクソばっかりだ！人に何があったのか想像すら出来ないクソばっかりだ！助けてくれ！こっちを見ないでくれ！今でも顔の一部の皮膚の色が違うだろ？こっちを見ないでくれ！助けてくれよ！あぁ！自分が痛い目を見て初めて理解したさ！人の痛みを！理解出来ないって事を！それでも俺は一番苦しい奴なんかじゃないって事も！それでも苦しいんだ！辛いんだ！助かりたかった！楽になりたかった！

血も肉もない薄っぺらで綺麗な言葉なんざいらねぇ。骨と血と肉で出来たものがいいんだよ。俺は一生、記憶を切り売りするだろう。脳味噌の中で作り上げた嘘なんざクソくらえだ。人の痛みを理解出来ないクソばっかりだ。はなから放棄して理解しようともしないクソばっかりだ。笑ってんじゃねぇ。笑ってんじゃねぇよ。痛ぇ。痛ぇ。痛ぇ。もはや仮面だとかのレベルじゃないんだよ。もう全身嘘で固めていかなきゃやってらんねぇんだよ。俺は醜い。この容姿コンプレックスだけは一生拭いきれまい。だからこそ俺は一生、派手な袋に身を包み続けるだろう。誰か助けてくれるのか？誰も助けてくれないなら自分でどうにかするしかないだろうよ。誰も俺を愛さないのなら、自分で愛でるしかないのとどう違うんだ？確かにあの時、俺は愛されていたから、死ぬ事なく今日までこうしていられる。でも今はあの時と違う。だから自分でどうにかするしか無ぇんだ。人の痛みを理解出来ないクソばっかりが溢れてる。死んでしまえばいいと思う。死んでくれと思うんだ。

血が通った温度が無いのなら生きていける自信なぞ無い。
苦痛を感じる。
苦痛が弱さだと言うのなら、あんたは。

人の痛みが理解出来ないクソばっかりだ。

それでも時々、ＣＯのアレックスとかＦＣのピットとかＳＨのジョーみたいに、
ぶっちぎれた奴になりてぇと思う。