コンプレックスを舞台に上げればそれはロックになる

 　大槻ケンヂはそう言ってたらしい。引き続き、白い暴動族の話。

 

　ロックとかパンクに対して「こうじゃなきゃならねぇ」と言う定義は無いと思う。むしろ、「こうじゃなきゃならねぇ」と言うのは正当派の言う事で、そういうのはあんまり面白く無い。…俺は映画見ながら言うけどさ（笑）

　更に言えば、パンクなんつーのは「反体制」であって、「こうじゃなきゃ駄目だぁ？冗談じゃねぇ！」と言うのが彼らのスタイルである。クラッシュ、ピストルズ等の商業的に成功したパンクだって言ってる事はそこだ。初期のブルーハーツだってそうだったしね。

 

　白い暴動族で言えば、演奏はステージでやるもの、と言うのが気に喰わなかったんだろうし、ストラップはちゃんと装着するのが嫌でガムテームだったんだろうし、マイクに口をつけないと言う暗黙の了解が嫌で咥えちゃったんだろうし、人の事を考えたりするのが嫌で傍迷惑なパフォーマンスをしたのだろう。そういう意味で言えば、パンクとして正解である。

 

　彼らの覚悟がどこまで本当なのか知らないけど、個人的には見ていたいバンドだ。野郎だらけのライブハウスで全員でモミクチャになって見るのが面白いのだろう。昨日は客層が違ったのでアレなんだろうが、「女連れて俺等の演奏見に来てんじゃねぇよ！」と言う事なんかな、あの無茶っぷりを良い方向で受け止めるとしたら。

 

　ただまぁ、あそこまでやるならギター叩き付けて破壊（ドラムセット破壊）くらいまでやって欲しかったなー。当然、出禁だ弁償だってなるだろうけどね。見知らぬ客にギター預けちゃうのとかは面白かった。ああいうのは好きだ。

 

　最後まで立ってた奴が勝ちだ。彼らには立っていて欲しいね。

 

 

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「竜二」

 

　見たよー。やっぱ面白いなぁ。拳銃無し、弾丸無し、ドンパチ無し、ドス無し、リンチ無し、レイプ無し、それなのに純然たるヤクザ映画。燻っている野郎は、すべからくこれを見るべきだと思うよ。男とは、かくあるべき。特に、ヤクザ者の自覚が多少なりともある人はね。別に職業がどうって言うんじゃなくて、精神的にそういう気持ちが多少なりともあるような男達は、是非、見るべきだ。こういう馬鹿な男を多少なりとも理解したい女子は、これと併せてミッキー・ローク主演の「レスラー」も見るべし。多分、見てもわかんないかも知れないけど、野郎からは絶大な支持を受けると思う。

 

　まぁ、女のケツばっか追いかけてる様なチャラチャラしたアホとか、気取ってスカしか奴らにゃなかなか理解出来ないだろうけどな。男には自分の世界とルールがあって、それは他人や世間にゃ受け入れられないんだろうけども、そこだけは譲れないって言うね、そういう事なんですよ。

 

　金子正次の声の低さが良いなぁ。あの重低音に憧れるぜ。蹴りもビンタもマジだしね。役者として痣作るのはどうかと思うけど、その熱気は凄い伝わる。いいなぁ、そういう空気。いやー、駄目でダサいヤクザなのに、やっぱアレだな、男は心の何処かにこういう影が絶対的に存在するよね。

 

　いやぁ、いいよこの映画。

 

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　心の闇なんつー、世間が付けたあやふやな概念じゃないけど、ドロドロとした各種衝動を飼い続ける事が、必要なんだよね。