宇宙からの、入院中の後悔、退院後の世界

　ニコ動で「宇宙からのツタンカーメン」を見た。正式名称は「宇宙から来たツタンカーメン」か？最低映画として名高いらしい。佐々さんイチオシみたいなんで（笑）勢いで見てみたら、結構なB級っぷりだった。これはいいB級だ。独特の超展開、説明無し、オチ無しと言うB級としての王道パターン。前振り能書き関係無し！ダメな人はダメなんだろうなぁ…。

 

　真面目な映画よりこういう作品の方が好きなんだよね。毒毒モンスターとかは少しやり過ぎな感じがするんだけど、このくらいの感じが凄く丁度良く、暴走っぷりが好きになれる。

 

　ストーリーは超ダメ、であるが画角や照明なんぞは今のクソスピンオフ映画より１００倍綺麗に取れている。ビデオとフィルムの違いじゃなくて、単純に腕の問題。やるかやらねーか、それだけ。やれば出来るのにやらない、それは罪でしかない。

 

　その罪が、視聴者をもっとダメにする。テレビドラマと言う流動食で慣れた口まで、８割粥みたいなのっぺりした作品を運んでもらわないと駄目になってしまった。そうじゃない、そうじゃ駄目なんだ。…じゃあ何が出来る？その波を押し返せるのか？カッチカチのハードボイルドを喰わせても平気なくらいに、目を覚まさせる事が出来るのか？偉そうに…！

 

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　入院してて思う事と言えば、「あぁもっと美味い飯喰いたい（喰っておけば良かった）」「あぁアイツとヤっときゃよかった（生き延びたらヤりてぇ）」「あの時ああすればもっと…」「あの時ああ言えばもっと…」そう思うのさ。人生に於ける後悔の中でも、ヤっときゃ良かったってのは、かなり大きなウェートを占めると思う。飯もそうだけどね。勉強とか、本とか、映画とか、絵とか、そこら辺って結構どうでもいい。

 

　ヤっときゃ良かった、喋っときゃよかった、そういうコミュニケーションの欠如を凄く後悔する訳。ミクシーとかツイッターみたいな凄く一方的（暴力的なまでに）なコミュニケーションじゃなくて、探って気を使って読んで、畏れてそれでも愛して、そういうコミュニケーションを取れなくなる事に対する恐怖が大きいんだよね。自閉モードになるのは簡単だし、再びこちらから暴力的で一方的なメッセージを放ち続けるのは簡単だ。でも、俺は聞いて喋って畏れて愛して触れたい。

 

　だから、朦朧とする意識の中でも「マジにアイツとヤっときゃ良かった…」と本気で後悔する訳だ。ちなみに、退院すると世の中にある全てのものが美味しそうに見えます。特にコンビニのレジで売ってる揚げ物とか、本当に美味しそうに見えます。困った困った。

 

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もう一本くらい、駄目な映画を見たいなぁ。