煙草の煙は反逆の狼煙

などと格好つけて言うけれど、
とどのつまりは明日パーティーに行くというだけの事。
日本人の女の子沢山いるんだってさ！わーい☆

でもね、その報告がある前にね、ボクはね髪型いじっちゃったの。
右側頭部はジョリジョリ左側頭部は軽くジョリジョリ、
と言うオフバランスな感じの大きいモヒカンにしちゃったの。
何かねぇ、ブルハの梶くんの頭がフサフサになった感じ（笑
もうこうなったら、いっその事、普通のモヒカンにしようかな。
迷ってます。凄く迷ってます。
パーティーあるって知ってたら、ゼロにしなかったのに…。
しかしやっちまったもんは仕方無いので、
片側はゼロなモヒカンにしようかしら！ね！

＊＊＊

とまぁ、外見を気にする。俺は気にする。俺が醜いからだ。

俺は、自分で言うのもなんだが、美少年であった過去がある。
今じゃ想像もつかんような、白い肌をした俺がいたのだ。
目も大きくはっきりとした二重で。

高校在学中に突然、アトピーを患い、加速度的に症状は重くなり、
入院までする騒ぎとなった。
主に顔をメインにして症状が出たので、たまらん。
顔面ぼろぼろ。同級生諸君は、覚えているでしょう。
酷い顔をしていたよ。
人外だったね。酷い顔をしていたよ。
幾層にも体液と古い角質が重なって凸凹になった顔面。
枕やシーツに体液で張り付いた顔面を引き剥がし、
シャワーで洗い流す作業は、毎朝、起きる事は、
苦痛でしかなかった。

あの頃の恐怖。
痛さとか、醜さとか、そういった恐怖。
最近は痛くは無いのだけど、己が醜い事が恐怖でしかない。
たまに、夢で全身を掻き毟る夢を見て、
恐怖で目が覚める事はあるんだよね。
それでも、まだ、夢で、良かったと、思えるけど、
色の黒さだけは、まだ、元に戻らない。

親しい人間に言われる程度なら、俺は全く構わないのだけど、
一度、どうしても許せん発言をした塾経営者がいたな。
初対面のクセに
「随分黒いね、夏にかなり海で遊んだりしてたの？」
バカにし腐った目をしやがる。
俺の黒さを、海で遊んだ黒さだとかカン違いしやがったのさ。
人のトラウマ領域に核弾頭投げ込みやがった。冗談じゃねぇ。

基本的に俺は俺を醜いと思っている。
全身に浮き出る、神経性繊維腫の症状だってそうだ。
醜くフツフツと浮かび上がるそれは、醜いと言う他に何と言える？
俺は醜いのだ。心も美しい方じゃない。歪んでるしね。

俺の好きな女も、外見に異常なまでのコンプレックスを抱いている。
世間一般で言う、美人な訳じゃない。俺は可愛いと思うんだけどね。
一度、彼女を怒らせた事がある。
彼女の事を言った訳じゃないのだが、
他人の服装を俺が否定した瞬間に、怒り出したのだ。
それ以降、人の服装にはとやかく言わなくなった。

あー、いつもの事だが混乱している。
もう本当に死ねばしいんだ、そうやって人の領域に踏み込む奴は。
己を醜いと思う人間が、どれだけその醜悪さを気にしているか。
それこそ、「全てを許す人間」がいるにも関わらず、
己を醜いと思う気持ちは止まぬのである。
しかし、「全てを許す」人間がいたから、俺は今こうして生きている。
その「全てを許す」人間がいなかったら、俺はここにはいないだろう。
私の醜悪な外見ではなく、精神を見てくれていた。
一人でいる時間が長すぎた為に、精神まで醜悪になってしまったが。

ボストンについた時もそうだ。
新しい日本人の男がくる、とでも聞いていたんだろう。
部屋に来た日本人女子の顔が凍りついた瞬間と言ったら！
もう当然のようになったそれは、予想通り過ぎて快感ですらあった！
己自身がどれ程、どんなに、それを気にしているかを、
考えた事があるだろうか。

見た目がどうこう言ってんじゃねぇよカスが。
その感想だけでひと一人殺せんだぞ。

まぁいい。
明日は適当にこなそう。
モヒカンにしよう、そうしよう。
キモくていいさ。

罪悪感に苛まされて死ね。